社労士だから分かる。求人原稿のポイント

求人募集に反応がない3つの理由

「求人募集を出しているけど、ぜんぜん反応がない」

こんな声を中小企業経営者の皆さんからよく聞きます。

給与が低いからだろうか…うちの会社に魅力がないからだろうか…とあれこれ悩まれていますが、悩む前に、まず見直してほしいのが、求人原稿です。

求人原稿を改善するだけで、応募が増えたり、良い人材を採用できる、といったことが実際に起こっています。

社労士として、数々の求人や採用のお手伝いをする中で、求人募集が成功しないのには、大きく3つの理由があることが分かってきました。

理由その① 自社の良さが分かっていない

理由その② 自社にとっての「当たり前」が、求職者にとって「特別」だとは気づいていない

理由その③ ハローワークの求人原稿の型にはめようとする

例えば、こんな事例です。

ある製造業の会社が、工場をきれいにしていることを「当たり前だ」と思い、自社の良さだと認識していませんでした。

しかし、求職者は、きれいな職場で働きたいというニーズを持っています。

そこに気づいておられなったため、求人原稿にも、そのことを記載しておられませんでした。

また、ハローワークの固い求人原稿に寄り過ぎてしまい、会社の特徴がしっかり伝わらないというのも、非常によくあるケースです。

ポイントは「話す」「思い出す」「イメージする」

こうしたことを回避するには、どうしたらいいのでしょうか。

そのポイントが、以下の3つです。

ポイントその① 自社のことを第三者に話す

ポイントその② 自分が就職活動していたときを思い出す

ポイントその③ どんな人を採用したいか具体的にイメージする

それぞれ説明していきます。

①自社のことを第三者に話す

自社のことをよく知らない人に、「うちの会社はこんなことをしている」という話を聞いてもらうと、自分では気づいていない自社の良さや強みが出てきます。

②自分が就職活動していたときを思い出す

就活者の立場に立つには、自分の就活体験を思い出すことが効果的です。どんな内容、どんな言葉遣いの求人原稿に興味を引かれたか、思い出してみてください。

③どんな人を採用したいか具体的に思い描く

これは、広告業界で「ペルソナ」と呼ばれている手法です。採用したい人の家族構成、年齢、住んでいる場所、趣味、スポーツ経験など、特徴をこと細かに挙げていきます。そして、その人に響くような求人原稿を書いていくのです。

◆「何をするか」より「何が得られるか」に焦点を当てる

求職者は、その会社に入って何をするかより、どんな良いことを得られるかに興味があるのです。

例えば、スマホ修理業。

ただ単に「スマホを修理する仕事です」とだけ書いてあると、求職者は、その仕事を通じて自分がどう成長できるのかが分かりません。

しかし、こんなふうに書いてあったらどうでしょうか?

「スマホマイスターになりませんか? バッテリーの持ちをよくする方法が身につき、iPhone修理の技術も身につきます。 それを家族や友人にも教えてあげられます。」

スマホ修理の仕事をすることで、自分にどんな良い未来が待っているか、イメージしやすいと思います。

採用成功のためにハローワークと交渉も

中小企業の場合、ハローワークに求人を出すことが多いと思います。

ですが、ハローワークの求人原稿は文字数が限られているので、先ほどのスマホマイスターのような原稿を書くと、ハローワークの担当者に「もっと短くしてください。仕事の内容だけ書いてください」と指摘されることがあります。

でも、担当者にいくら指摘されたとしても、「本気で採用を成功させたいんです。だからこの原稿でいきます」と交渉してもいいのです。

私もよく担当者と交渉し、求職者の目に止まりやすい原稿を掲載することに成功しています。

また、これはあまり知られていないのですが、ハローワークインターネットサービスには、写真を掲載することができます。

職場や仕事の様子を写真で伝えれば、「アットホームな職場です」といったことを書く必要がなくなり、文字数を削ることができます。

もし、これらのポイントの中で、1つでもやれていないことがあれば、ぜひ取り組んでみてください。いまよりずっと良い求人原稿ができるはずです。

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