承認し合える組織が理想
中小企業の社長とともに会社の未来をつくる「3年後ナビゲーター」をやっていて、改めて思うことがあります。
それは、社長が組織のビジョンを描くことは『安心安全な社会づくりにつながる』ということです。
なぜそう思っているのかを、自分自身の組織づくりになぞらえながらお話していきます。
私は、自分の会社であるまんせい労務サポートオフィスを、「承認の組織」にしたいと思っています。
ここで働く一人ひとりが「自分は認められている」という安心感を感じられる組織が、私の思い描く理想の姿です。
開業する前、私は人から否定され、自分自身をも否定し、
「生きている価値があるのかな…」と思うくらい追いつめられたことがあります。
まだ駆け出しだったこともあり、質問されて答えに困っていると、
「社労士バッヂ返して来い!」と先輩社労士に怒鳴られたこともあります。
そんなとき、助けてくれた人がいました。
私が所属するビジネスチームのリーダーです。
毎週会ってくれて、「どう?困っていることはない?」と声をかけてくれました。
ここまで自分のために時間を割いてくれる人がいるんだ、
と感動すると同時に、「自分は存在していていいんだ」と感じました。
「3つの承認」が職場の空気を良くする
自分のことを認めてもらえる。
これは人間にとって安心で安全なことなんだ。
私は身をもってそれを実感しました。
だから、まんせい労務サポートオフィスも、承認し合える安心安全な空間にしたいと思っています。
承認にはいくつか種類があります。
まず、【存在承認】
これは、居ること自体への承認です。
「おはようございます」「お疲れさまです」という声かけが、存在承認につながります。
そして、【行動承認】
これは、やったことへの承認です。
仕事をがんばっているということだけではなく、
コーヒーを入れてくれた、掃除をしてくれたなど、ささいな行動への承認も含まれます。
最期に、【結果承認】
これは、行動の結果に対する承認です。
例えば、入れてくれたコーヒーがおいしかったら「おいしいね」と言う。
仏頂面でコーヒーを飲むより、ずっと良い空気が流れます。
承認文化を広めるために全国を飛び回る
活力のない会社に行くと、承認ではなく、否定の文化が根づいています。
社員は、否定をされるのが怖くて、自分の意見を言えない。だから活気がないのです。
ある社長が「入社5〜6年目の社員がちっとも意見を言わない」とこぼしていたことがあります。
こういう場合、社長が社員の「できていないところ」ばかりに目を向け、
批判したり責めたりしているケースが多いのです。
私は、仕事を通じて、承認の文化を多くの会社に広めたいと思っています。
47都道府県の中で、たった1社でも承認の文化が根づき、
社員が安心安全に働ける場所があったら、それだけで救いになると思っています。
だから私は、事務所を飛び出し、全国を渡り歩き、承認し合える会社を増やすことに力を尽くしたい。
それが私の個人的なビジョンです。
数字よりも大切なこと
そして、まんせい労務サポートオフィスの3年後ビジョンは、
スタッフ全員が自分独自の能力を生かし、
ワイワイやりながら良い仕事に取り組んでいる、
というイメージです。
私が持っていない視点を持つ社労士、広報担当スタッフ、年金や助成金のエキスパートなど、
お互いの尖ったところを認め合い、生かし合いながら新しいことに挑戦する。
それが理想の姿です。
(これをスタッフに言うと「それをやれるほど、会社は大きくなっていませんよね」と突っ込まれますが・笑)
安心安全のもと、数字より関係構築を重視する組織をつくる。
もしそんな組織を実現できれば、
誰よりも、社長自身が会社に行くのが楽しくなるのではないでしょうか。
社長も社員も、月曜日に会社に行くのが楽しくなる会社づくり。
私は、それをサポートしたいと心から思っています。