◆熱意のある社員はわずか6%
採用したのにすぐ辞めてしまう。
人がなかなか定着してくれない。
そんな悩みを抱える社長が非常に多いと感じています。
福利厚生を充実したり、給与制度を整えたり。これらの取り組みは、もちろん重要なことです。
でも、お金をかけることなく、今日からすぐできる「人の定着に役立つ行動」があります。
それは「承認」です。
日本は、熱意あふれる社員の割合がとても低い国です。全体の6%と言われており、139カ国中132位。最下位に近い順位です。
では、どうして日本の社員は熱意を持つことができないのか。
そのキーワードとなっているのが「承認」なのです。
◆お客様にしていることを、社員にもする
人は誰でも、認められたい、感謝されたいという「承認欲求」を持っています。
例えば、お客様に対して「ありがとうございます」と言うと、お客様は喜んでくださいます。
承認欲求が満たされるからです。
ところが、社員に対して同じ行動をとっている会社は、驚くほど少ないというのが実感です。
多くの社長が「うちの社員にはほめるところがない」と言って、承認していないのです。
でも、本当にほめるところがないのでしょうか?
社員にほめるところがないと感じる場合、
「これをやるのは社員として当たり前だ」
「社員ならそのくらいやって当然だ」という考え方がベースにあります。
社員が働いてくれることを「当たり前」と捉えると、社員のできていないところにばかり目が向きます。
できているのが当然だと思うから、少しでもできないところが目に入ると、批判してしまうのです。
でもこれでは、人間関係は良くなりませんよね。
お客様に対して自然と「ありがとうございます」と言うように、
社員に対しても「ありがとう」と言うようになれば、承認欲求が満たされ、
とても良い関係を構築できるのです。
◆2人いればOK。シンプルだけど効果大の「承認ワーク」
当たり前の反対は「ありがとう」です。
社員さんの「できていないところ」ではなく、「できているところ」にアンテナを立ててみてください。
自然と「ありがとう」の気持ちがわいてきます。
でも、いまさら照れくさい、社員を承認したいけど、具体的にどうやればいいか分からない、
という方もいらっしゃるでしょう。
そんな方のために用意しているのが「承認ワーク」です。
「承認ワーク」は、実はとても簡単です。
2人1組になり、お互いに「最近あった良いこと」を話します。
聞く方は、どこをほめようか、という視点で聞きます。
そして、良かった点、ステキだと思った点を感想としてフィードバックします。
とてもシンプルですが、これをするだけで、お互いの心の距離が縮まります。
「いままでやったことがない」という会社こそおすすめです。
ふだんからそうしたコミュニケーションをとっていないからこそ、より効果的なのです。
「承認ワーク」をもっと取り入れたい、という場合は、
「承認カード」を使用すると、楽しくワークを進めることができます。
大学教授の研究をベースにしたカードで、どんなときにどんな承認の言葉を使うのが効果的か、具体的に知ることができます。
以下が「承認カード」の詳細です。
承認カード https://www.delight-c.com/item/00/post-16.html
◆自分だけの「コミュニケーションの法則」を
「承認ワーク」を取り入れて、職場の雰囲気が変わった、というプラスの効果が現れた会社もあります。
ある会社では、社員さんの笑顔が増えたそうです。
また、家庭でも「承認ワーク」をやったところ、奥様の機嫌が良くなったという例もあります。
「自分はこんなふうに承認されたい」という目標を決めて、
そのために何をしたらよいのか話し合う場をつくると、社員が自分から前向きな行動をとるようにもなります。
承認の仕方は、人によって違いがあります。
人前で大絶賛されるのがうれしい人もいれば、人前で承認されるのは苦手で、
陰でこっそり承認してほしい、と思う人もいます。
コミュニケーションをとりながら、
「あの人にはこんな承認の仕方をすると、すごく喜んでくれる」
という自分なりの法則を見つけ出すと、承認するのが楽しくなってきます。
思った以上に威力のある「承認ワーク」、ぜひ取り組んでみてください。